[日記]クレアモントホテル

ロンドンの街角にある小さな古めかしいホテル。エレベーターはカゴ式で調子が悪く、長い螺旋階段を歩いて食事に1階まで降りることになる。人生の終末期にそこに滞在しているパルフリー夫人の元に娘が訪ねてくる。いろいろ意見を言う娘に『私はかつて娘であり、妻であり、母であったが、今はそのすべての役割を終えて、私は私の人生を生きる。』と言い放つ。

映画を見た次の日、友人と講演会の帰りにおしゃべりをした。
『私はまだ娘であり、妻であり、母であるが、いつか母である役割を辞められるだろうか。』
友人は『娘の母であれば出来るように思うけれど、息子の母の場合はどうかしら。』

生きて行く中で、実はいろいろな役割を選びながら過ごしている。私にはいろいろな役割が満載の状態であることを思い出した。これから先「私は自分の人生を生きる。」と言い切ることができるだろうか。映画を見ているときは、パルフリー夫人はかっこいい、素敵だ、私もあんな風に生きたいと思ったのだけれど、だんだん自信がなくなってきている。